再臨と終末(14)黙示録とダニエル書から読み解く竜と獣とイスラエル

終末論
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聖なる都エルサレムは、神の御計画を破壊しようとする悪魔の勢力によって常に攻撃されています。また悪魔は、イエス様の再臨を阻止するために、イスラエル民族を殲滅しようと働き続けています。この記事では、艱難時代に竜と獣がどのようにイスラエルを攻撃するのか、また、最後の獣とはどのような人物かを探ります。

1.イスラエルを滅ぼそうとする悪魔

黙示録12章に、イスラエルと竜の関係について説明されています。

① イスラエル民族と赤い大きな竜

将来、イスラエルとアラブ諸国やイスラム教国との関係が改善し、宗教間対立がなくなって平和が訪れ、エルサレムにユダヤ教の神殿が建ち、聖書の神にいけにえが捧げられるようになると言われています。それから3年半後、突然イスラエルに困難な時代が訪れます。ダニエル書の御言葉がその根拠とされています。

・「荒らす者」が、多くの者と1週の間(7年間)堅い契約を結ぶが、その半週後(3年半後)、いけにえとささげ物を止めさせます(ダニエル9:27)。

・「北の王」が、神とイスラエルの聖なる契約にいきりたち聖所ととりでを汚し常供のささげ物を取り除き荒らす忌むべきものを据え、ユダヤ教信仰者を迫害します(11:31)。この王は、思いのままに振舞い、全ての神より自分を高くし、真の神に対して傲慢に振舞い、城壁のあるとりで(エルサレム)を奪います(11:36~39)。そしてイスラエル民族に、かつてなかったほどの苦難の時が来ます(12:1)。

イエス様は、ダニエルによって語られた「荒らす憎むべき者」が聖なる所に立ったなら、ユダヤにいる人たちは山へ逃げるようにと命じられました(マタイ24:15~15)。その時には、世の初めから、今に至るまで、いまだかつてなかったような、またこれからもないような、ひどい苦難があるからです(24:21)。

黙示録12章には、イスラエルを滅ぼそうとする竜について記されています。

黙示録12:1~4
また、大きなしるしが天に現れた。1人の太陽をまとい、を足の下にし、頭に12の星の冠をかぶっていた。女は身ごもっていて、子を産む痛みと苦しみのために、叫び声をあげていた。
また、別のしるしが天に現れた。見よ、炎のように赤い大きな竜。それは、7つの頭と10本の角を持ち、その頭に7つの王冠をかぶっていた。その尾は天の星の三分の一を引き寄せて、それらを地に投げ落とした。また竜は、子を産もうとしている女の前に立ち、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた。

この女は太陽をまとい、月を足の下にし、頭に12の星の冠をかぶっています。
太陽、月、星の意味は、創世記37章でヤコブの11番目の息子ヨセフが見た夢から解釈することができます。ヨセフの夢では、太陽と月と11の星がヨセフを拝んでいました。太陽は父のヤコブ、月は母のラケル、11の星は兄弟たちを表していました。ヨセフを入れると12の星になります。
それでこの女はイスラエル民族を表しています。

7つの頭と10本の角を持ち、7つの王冠をかぶっている赤い大きな竜悪魔です。御使い(天の星)の三分の一が神に反逆し、悪魔に従いました。

竜は女(イスラエル)が子を産んだら、すぐに殺そうとしていました。子とは「アブラハムの子、ダビデの子」として生まれるイエス・キリスト(マタイ1:1)です。

エデンの園で蛇がアダムに罪を犯させた時、神様は「蛇と女の間に、蛇の子孫と女の子孫との間に敵意を置く。女の子孫が蛇の頭を踏み砕き、蛇は女の子孫のかかとを咬む」と宣言されました(創世記3:15)。その女の子孫がイエス・キリストです。それで蛇(竜)はその子を滅ぼそうと待ち構えていました。実際、悪魔は生まれたばかりのイエス様を殺そうとして、ヘロデ大王を使ってイスラエルの2歳以下の男児を皆殺しにさせました。

黙示録12:5
女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖をもってすべての国々の民を牧することになっていた。その子は神のみもとに、その御座に引き上げられた。

男の子は全世界を鉄の杖(正義と裁き)で治めるイエス様です。主は十字架で贖いを成し遂げ、復活して天に帰られました。世の終わりに主が白い馬に乗って来られる時は、神に反逆する者たちと戦い、諸国の民を義をもって裁き、鉄の杖で牧します(19:11~15)。そして勝利を得る者、最後まで主のわざを守る者は、諸国の民を支配する権威が与えられ、主と共に鉄の杖で民を牧するようになります(2:27)。

② 悪魔から逃れるイスラエル民族

女の子孫がイスラエル民族から生まれ、十字架で贖いを成し遂げたので、悪魔はイスラエル民族を憎み、滅ぼそうとします。12章6節は艱難時代中間期の出来事です。

黙示録12:6
女は荒野に逃れた。そこには、1260日の間、人々が彼女を養うようにと、神によって備えられた場所があった。

竜と堕天使たちは、ミカエルとその御使いたちと戦ったが勝つことができず、天に居場所がなくなり、地に投げ落とされてしまいました。竜は全世界を惑わす者で、古い蛇とも呼ばれています(12:7~9)。エデンの園でアダムとエバを堕落させた蛇のことです。

悪魔は自分の時が短いことを知って激しく憤り、イスラエルを追いかけます。

黙示録12:13~14
竜は、自分が地へ投げ落とされたのを知ると、男の子を産んだ女を追いかけた。しかし、女には大きな鷲の翼が二つ与えられた。荒野にある自分の場所に飛んで行って、そこで一時と二時と半時の間、蛇の前から逃れて養われるためであった。

女が悪魔(大きな竜、古い蛇)から逃れて養われる荒野は、ボツラ(現ヨルダン王国のペトラ遺跡)であると考えられています。ペトラ遺跡は、全部を見て回るには1週間位かかる広い遺跡群で、巨大な岩山を掘り抜いて作った建築が続いています。
ここには、将来イスラエル民族が逃げて来た時、3年半の間生活できるようにと、クリスチャンたちが水と食料を備えていると言われています。1260日も、一時と二時と半時も、3年半を表します。

黙示録12:15~18
すると蛇はその口から、女のうしろへ水を川のように吐き出し、彼女を大水で押し流そうとした。しかし、地は女を助け、その口を開けて、竜が口から吐き出した川を飲み干した。
すると竜は女に対して激しく怒り、女の子孫の残りの者、すなわち、神の戒めを守り、イエスの証しを堅く保っている者たちと戦おうとして出て行った。そして、竜は海辺の砂の上に立った。

悪魔は軍隊(大水、川)を派遣してイスラエル民族を滅ぼそうとしますが、大地が割れ、軍隊は地に飲み込まれてしまうのでしょう。イスラエル民族はボツラに逃げ込みます。
すると悪魔は激しく怒り、女の子孫の残りの者、イエス様を信じるユダヤ人と戦うために出て行きます。残りの者(レムナント)とは、真の信仰を持つ人を指しています。

そしてが海辺に立つと、海からが上って来ます。

2.最後の帝国の王「獣」

とはどんな人物でしょうか?

① 7つの頭と10本の角を持つ獣

黙示録13:1~2
 また私は、から一頭の獣が上って来るのを見た。これには10本の角と7つの頭があった。その角には十の王冠があり、その頭には神を冒涜する様々な名があった。私が見たその獣はに似ていて、足はの足のよう、口は獅子の口のようであった。竜はこの獣に、自分の力と自分の王座と大きな権威を与えた

 竜7つの頭7つの王冠をかぶり、10本の角をもっています。そしてにも7つの頭があり、10本の角10の王冠をかぶっています。は7つの時代を通して支配するこの世の支配者で、は竜の権威を受けて、最後の時代を支配します。この獣はに似ていて、足はのよう、口は獅子のようです。

この獣を理解するためにはダニエル書が助けになります。
ダニエル7章に「海から上がって来る4頭の獣」の幻が記されており、第四の獣として「10本の角を持つ獣」が登場します。ダニエルの見た幻では、帝国を表しています。

第一の獣はわしの翼をつけた獅子(=バビロン)
第二の獣は3本の肋骨をくわえた熊(=ペルシャ)
第三の獣は4つの頭と4つの翼を持つ豹(=ギリシャ)

ダニエル7:7~8
 その後また、私が夜の幻を見ていると、突然、第四の獣が現れた。それは恐ろしく、ものすごく、非常に強くて、大きな鉄のきばを持っており、食らって、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは前に現れたすべての獣と異なり、10本の角を持っていた。私がその角を注意して見ていると、その間から、もう1本の小さな角が出て来たが、その角のために、初めの角のうち3本が引き抜かれた。よく見ると、この角には、人間の目のような目があり、大きなことを語る口があった。

第四の獣には10本の角が生えています。黙示録の海から上って来る10本の角を持つ獣は、ダニエルの見た第四の獣で、バビロン、ペルシャ、ギリシャの特徴を合わせ持っていると考えられます。

ダニエル7:23~25・・・
第四の獣は地に起こる第四の国。これは、ほかのすべての国と異なり、全土を食い尽くし、これを踏みつけ、かみ砕く。10本の角は、この国から立つ10人の王。彼らのあとに、もうひとりの王が立つ。彼は先の者たちと異なり、三人の王を打ち倒す。彼は、いと高き方に逆らうことばを吐きいと高き方の聖徒たちを滅ぼし尽くそうとする。彼は時と法則を変えようとし聖徒たちは、ひと時とふた時と半時の間、彼の手にゆだねられる

ダニエルの記述から推測すると、第四の獣はギリシャ帝国の後に起こり、それ以降の歴史の中に姿を変えながら継続していて、世の終わりに本性を現し、全世界を支配するようです。

  は帝国を表し、は王を表しています。10人の王のうち3人が淘汰され、最後に出てきたもうひとりの王は傲慢で、いと高き方(創造主、イスラエルの神)を冒涜し、時と法則(神とイスラエルとの契約、安息日や律法)を変えようとし、ひと時とふた時と半時(3年半)の間、聖徒たち(イスラエル民族)を迫害します。

② この世の最後の反キリスト

ダニエル11:36
 この王は、思いのままにふるまい、すべての神よりも自分を高め、大いなるものとし、神の神に向かってあきれ果てるようなことを語り、憤りが終わるまで栄える。定められていることが、なされるからである。

最後に出てきた1本の角を持つ獣を、黙示録では「」と呼んでいます。一般的に反キリストと呼ばれている人物です。

黙示録13:5~8
 この獣には、大言壮語して冒涜のことばを語る口が与えられ、42か月の間、活動する権威が与えられた。獣は神を冒涜するために口を開いて、神の御名と神の幕屋、また天に住む者たちを冒涜した
獣は、聖徒たちに戦いを挑んで打ち勝つことが許された。また、あらゆる部族、民族、言語、国民を支配する権威が与えられた。地に住む者たちで、世界の基が据えられたときから、屠られた子羊のいのちの書にその名が書き記されていない者はみな、この獣を拝むようになる。

この獣は神を汚す名で満ちており(黙示録13:2、17:3)、彼が栄える期間は42か月、つまり3年半です。獣は神に成り代わって諸国の民を支配し、自分を礼拝しない聖徒たちを抹殺しようとします。竜は獣に自分の王座と権威と奇跡を行う力を与え(13:2)、自分の代理として3年半の間、全世界を支配させるのです。

それは、ダニエル書8:23では「横柄で狡猾な一人の王」と呼ばれ、イエス様が「荒らす憎むべき者が聖なる所に立つ」と警告された人物で、神殿の聖所を汚します。

Ⅱテサロニケ2:4、9
彼は、すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ、神の宮の中に座を設け自分こそ神であると宣言します。・・・・・不法の人の到来は、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力、しるし、不思議がそれに伴い、

彼はサタンによって擁立された最後の帝国の支配者で、自分を神として神殿に居座ります。神の「憤りが終わるまで」、この王の独裁と強権支配が続きます。

③ 底知れぬ所から上って来る王

黙示録17:8
 あなたが見た獣は、昔はいたが、今はいません。やがて底知れぬ所から上って来ますが、滅びることになります。地に住む者たちで、世界の基が据えられたときからいのちの書に名が書き記されていない者たちは、その獣が昔はいたが今はおらず、やがて現れるのを見て驚くでしょう。

黙示録13:3~4
 そののうちの一つは打たれて死んだと思われたが、その致命的な傷は治った。全地は驚いてその獣に従い、竜を拝んだ。竜が獣に権威を与えたからである。また人々は獣も拝んで言った。「だれがこの獣に比べられるだろうか。だれがこれと戦うことができるだろうか。」

7つの頭10本の角)を持つ緋色の獣」は、昔いた獣です。
その頭の一つは死んだと思われたのに、復活するようです。

7つの頭とは、おそらくイスラエルを支配した7つの帝国――エジプト王国、アッシリア帝国、バビロニア帝国、ペルシャ帝国、ギリシャ帝国、ローマ帝国、イスラム帝国――を代表する7人の王たちであると思われます。5人(エジプト~ギリシャ)はすでに倒れ、黙示録が書かれた時代に1人(ローマ)がいて、その後、もう1人(イスラム)がしばらく留まりました(17:10)。

ダニエル書の第四の獣は、バビロン、ペルシャ、ギリシャの後に出てくる帝国です。ギリシャの次の帝国はローマ帝国なので、第四の獣はローマ帝国を表しているととらえ、一度滅びるが、最後の時代に復興ローマ帝国として現れると解釈する人もいます。

7つの頭と10本の角を持つ緋色の獣はこの7人の王のうちの1人で(17:11)、底知れぬ所から上って来て、8番目(最後)の帝国の王となります。

10人の王たち(角)は一つ思いとなり、自分たちの権威をその獣に委ね、世界を支配するようになります。彼らは子羊に戦いを挑みますが、ついに敗北し、滅ぼされてしまいます(黙示録17:12~14)。

底知れぬ所」は死者の行く「よみ」とは異なります。ルカ8章で、ゲラサ人の男に入っていた悪霊たち(レギオン)がイエス様を見て「底知れぬ所へ行けとは、お命じになりませんように」と懇願したように、そこは悪霊たちが閉じ込められる場所です。

第5のラッパが吹かれると、一つの星が天から地に落ち、底知れぬ所に通じる穴を開きます。すると、煙といなごが地上に出て来て、額に神の印を押されていない人々に害を加え、死なせずに5か月間苦しめます(黙示録9:1~6)。このいなごたちは底知れぬ所の使いを王としていて、その王の名はへブル語でアバドン(破壊)、ギリシャ語でアポリュオン(破壊者)と言います(9:11)。使いですから、堕落天使を指すと思われます。底知れぬ所から上って来る者は悪霊たちの王であり、普通の人間ではありません。

7つの頭と10本の角を持ち、「最後の帝国」の王である「獣」は、

・「かつて地上を支配した帝国の王」であり、
・「底知れぬ所に閉じ込められ、やがて地上に上って来る霊的存在」ということになります。

艱難時代の中間期に、イスラエル民族が竜の攻撃から逃れてペトラ遺跡に立て籠もり、が海辺に立つと、閉じ込められていたアポリュオン(破壊者)が解き放たれるのです。

④ 雄やぎの流れを汲む最後の王

ダニエルは「雄羊と雄やぎ」の幻を見せられ、ギリシャ以降に起こる最後の世界帝国と支配者について教えられました。

ギリシャ(雄やぎ)がペルシャ(雄羊)を倒した後、4本の(王)が生え出て来ます。

ダニエル8:19~22
 「見よ。私は、終わりの憤りの時に起こることをあなたに知らせる。それは、終わりの定めの時に関わることだ。あなたが見た二本の角を持つ雄羊は、メディアとペルシアの王である。毛深い雄やぎはギリシアの王であり、その額にある大きな角はその第一の王である。その角が折れて、代わりに四本の角が生えたが、それは、その国から四つの国が起こるということである。しかし、第一の王のような勢力はない。

ダニエル8:9~12
 そのうちの一本の角から、もう一本の小さな角が生え出て、南と、東と、麗しい国に向かって、非常に大きくなっていった。それは大きくなって天の軍勢に達し、天の軍勢と星のいくつかを地に落として、これを踏みつけ、軍の長に並ぶほどになり、彼から常供のささげ物を取り上げた。こうして、その聖所の基はくつがえされた。背きの行いにより、軍勢は常供のささげ物とともにその角に引き渡された。その角は真理を地に投げ捨て、事を行って成功した。

ギリシャ帝国の後、4つの国(4本の角)が出て来ます。そのうちの1本はセレウコス朝シリアを表していました。その角からは、かつてアンティオコス・エピファネスという荒らす者が出ましたが(参照:ダニエルの終末預言「荒らす憎む者」に備える)、
このもう一本の小さな角は、アンティオコスとは別の最後の王「」を表しています。
最後の帝王は、ギリシャから分裂したセレウコス朝シリアの流れを汲み、南と東の国を支配し、麗しい国(イスラエル)を侵略するようになります。

「天の軍勢と星のいくつかを地に落とし」は、黙示録12:4で「竜が天の星の三分の一を地に投げ落とす」ことを連想させます。「常供のささげものを取り上げ、聖所の基はくつがえされ」は、神殿でのユダヤ教の礼拝が廃止され、聖書信仰が投げ捨てられることです。

ダニエル8:23~25
 彼らの治世の終わりに、その背く者たちが行き着くところに至ったとき、横柄で策にたけた一人の王が立つ。彼の力は強くなるが、自分の力によるのではない。彼は、驚くべき破壊を行って成功し、有力者たちと聖なる民を滅ぼす。狡猾さによってその手で欺きを成し遂げ、心は高ぶり、平気で多くの人を滅ぼし、君の君に向かって立ち上がる。しかし、人の手によらずに彼は砕かれる。」

この獣が王位に着くのは、自分の力ではなく、竜の力によるのでしょう。彼は1週の間イスラエルと堅い契約(7年間の契約)を結び、諸国とエルサレムの住民は偽の平和と安全を喜ぶことでしょう。しかし獣は半週後(3年半後)、契約を破棄し、いけにえとささげ物を止めさせます(9:27)。イスラエルの神に立ち向かい、エルサレムを蹂躙し、聖徒たちの大迫害を始めます。

黙示録13:9~10
 耳のある者は聞きなさい。捕らわれの身になるべき者は捕らわれ、剣で殺されるべき者は剣で殺される。ここに、聖徒たちの忍耐と信仰が必要である。

神はこの獣の活動を許し、大艱難時代を通して全世界の人々を試み、ご自分に従う者を聖別されます。そして聖なる民の力を砕き、真の神を信じる者たちを永遠にふさわしい者へと整えられるのです。

3.獣の刻印と神の証印

 竜獣の像を拝まない者はみな殺され、右手か額かに刻印666)を受けている者以外は売買ができない、つまり生活ができなくなります。

コロナ禍にある今、イスラエルでは、ワクチン証明または陰性証明がないと、12歳以下の子どもであっても、レストランや公共施設に入れない、職場や学校に行けない、身内の結婚式、葬儀に参加できないという状況です。そしてワクチンパスポートは、今後は3回目の接種者にのみ与えられるそうです。獣の刻印が実施されるなら、それ以上の管理社会となり、個人の銀行口座は閉鎖され、人々の生活や社会経済は、獣の支配下でのみ成立するようになることでしょう。(黙示録13:15~18)。

 666は獣の名、またはその名が表す数字です。
7は完全数ですが、6は不完全数なので人間を表します。三位一体の完全な神を777と表すなら、666は不完全さが強調された悪の三位一体を表すと考える人もいます。

この期間は、かつてアンティオコス・エピファネスの時代に、至聖所でゼウス神が礼拝され、祭壇に豚が捧げられ、ユダヤ教信仰が禁止されて、従わない者たちが虐殺された時のようになるのでしょう。また、かつてユダヤ人の中から、聖なる契約(神とイスラエルとの契約)を捨て、アンティオコスに仕えて聖書信仰を破棄する者が出たように、聖書と聖書の神に背教する者たちが現れ、誠実さを失った偽の信者たちが真の信者たちを迫害するようになるかもしれません。

獣の刻印を受けたなら、もう引き返すことができません。神の所有する民ではなく、獣の所有する民となってしまいます。獣と共に裁かれ、永遠の火で焼かれてしまいます。

黙示録14:9~10
また、第三の、別の御使いも、彼らに続いてやって来て、大声で言った。「もし、だれでも、獣とその像を拝み、自分の額か手かに刻印を受けるなら、そのような者は、神の怒りの杯に混ぜ物なしに注がれた神の怒りのぶどう酒を飲む。また、聖なる御使いたちと小羊との前で、火と硫黄とで苦しめられる。

神の民には神の証印がつけられています。

ユダヤ人男性は出エジプト13:8~9の教えに従って、エジプトから導き出された主を覚え、神の前に出て祈る時、額と右手に御言葉を入れた小さな箱(テフィリン)をつけることになっています。は「心と考え」を表し、右手は「信仰による行いと働き」を表します。

大艱難時代を通して砕かれ、イエス様をメシアと信じたイスラエル民族は、「ある者は『私はのもの』と言い、ある者はヤコブの名で自分を呼び、ある者は手に『のもの』と記してイスラエルの名を名乗る(イザヤ44:5)」ようになります。

イエス・キリストを信じる者には、贖いの日のために聖霊によって証印が押されていますエペソ4:30)。

エペソ1:13~14
 このキリストにあって、あなたがたもまた、真理のことば、あなたがたの救いの福音を聞いてそれを信じたことにより、約束の聖霊によって証印を押されました。聖霊は私たちが御国を受け継ぐことの保証です。このことは、私たちが贖われて神のものとされ、神の栄光がほめたたえられるためです。

聖霊の証印を押されている私たちは、贖われて神のものとされているので、主が再臨されるなら、復活して救いが完成し、神の国を相続することができます。嘆き悲しみが過ぎ去り、苦しみが喜びに変わり、永遠の義と栄光と、祝福の世界が備えられています。

次回は、ボツラのイスラエル民族を主が救い出し、獣の軍隊を滅ぼす最後の戦いについて学びます。

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