再臨と終末(5)天の万象が震われ、新天新地と新エルサレムが到来する

終末論
この記事は約14分で読めます。

新天・新地・新エルサレムは、世界の創造主であり天地の王であるイエス様が再臨され、神の国(キリストの王国)が始まる時に実現します。今の天地は、悪魔の支配するこの時代とともに滅び去り、正義の住む新しい天と新しい地に取り換えられ、新しいエルサレムが神の国の首都となるのです。
この記事では、旧約預言、福音書、書簡、黙示録から、現在の天地は主の再臨時に火で焼き滅ぼされ、全く新しい天地に変わることを確認します。

1.天地が滅び、この時代が過ぎ去る「人の子の日」

イエス様は、ご自分が雲に乗って来られる前に恐ろしい天変地異が起こると語られました。

マタイ24:29~31,33~35 (マルコ13:24~27、30~31)
 だが、これらの日の苦難に続いてすぐに、太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は天から落ち、天の万象は揺り動かされます。そのとき、人の子のしるしが天に現れます。すると、地上のあらゆる種族は、悲しみながら、人の子が大能と輝かしい栄光を帯びて天の雲に乗って来るのを見るのです。人の子は大きなラッパの響きとともに、御使いたちを遣わします。すると御使いたちは、天の果てから果てまで、四方からその選びの民を集めます。・・・これらのことのすべてを見たら、あなたがたは、人の子が戸口まで近づいていると知りなさい。まことに、あなたがたに告げます。これらのことが全部起こってしまうまでは、この時代は過ぎ去りませんこの天地は滅び去ります。しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません。

主が戻って来られる時には、天の万象が揺り動かされます。世界が始まって以来、いまだかつてなかったような大艱難時代が訪れ、その終わり頃、天体の大異変が起こります。その時、イエス様が天の雲に乗って稲妻のように現れ、御使いを遣わして選びの民を集めさせます。主を信じる者たちは復活し、あるいは生きたまま身体が変えられて主のもとに運ばれます。

ルカ21:25~27、31~33、35
日と月と星には、前兆が現われ、地上では、諸国の民が、海と波が荒れどよめくために不安に陥って悩み、人々は、その住むすべての所を襲おうとしていることを予想して、恐ろしさのあまり気を失います。天の万象が揺り動かされるからです。そのとき、人々は、人の子が力と輝かしい栄光を帯びて雲に乗って来るのを見るのです。・・・これらのことが起こるのを見たら、神の国は近いと知りなさい。・・・すべてのことが起こってしまうまでは、この時代は過ぎ去りません。この天地は滅びます。しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません。・・・その日は、全地の表に住む全ての人に突然臨むからです。」

・天の万象が揺り動かされたなら、神の国が近づいています。そして全てのことが起こってしまうと、この時代が過ぎ去り、この天地は滅び(消え去り)ます
この時代とは、この世の神(悪魔)が支配している今の時代のことです。
すべてのことが起こるとは、獣と偽預言者が火の池に投げ込まれ、悪魔が縛られて閉じ込められる(黙示録20:1~3)までのすべての出来事を指します。

イエス様が再来される時、天の万象が揺り動かされ、現在の天地は滅び、この時代(悪魔の支配)は過ぎ去ります。そして選びの民が集められ、地上の神の国が始まります。

2.今の天地は「御怒りの大いなる日」に消え去る

神であるイエス様が地上に戻って来られる時、ご自分の造られた世界にある全ての悪を取り除かれます。それは神の復讐の時です。その時、神の御怒りによって天の万象にも大異変が起こります。
旧約聖書からイザヤの見た幻、そして黙示録からヨハネの受けた啓示を比較してみます。

① イザヤの預言した「燃える怒りの日」「主の復讐の日」

イザヤ13:9~13
見よ。主の日が来る。残酷な日だ。憤りと燃える怒りをもって、地を荒れすたらせ、罪人たちをそこから根絶やしにする。天の星、天のオリオン座は光を放たず、太陽は日の出から暗く、月も光を放たない。わたしは、その悪のために世を罰し、その罪のために悪者を罰する。不遜な者の誇りをやめさせ、横暴な者の高ぶりを低くする。わたしは、人間を純金よりもまれにし、人をオフィルの金よりも少なくする。それゆえ、わたしは天を震わせる万軍の主の憤りによって、その燃える怒りの日に、大地はその基から揺れ動く

イザヤは、主が憤りと燃える怒りによって世を罰し、悪人を罰し、罪人を根絶やしにする「主の燃える怒りの日」に、天の万象に異変が起こり、天が震え、地が揺れ動くと預言しました。

イザヤ34:1~4、8
国々よ。近づいて聞け。諸国の民よ。耳を傾けよ。地と、それに満ちるもの、世界と、そこから生え出たすべてのものよ。聞け。がすべての国に向かって怒り、すべての軍勢に向かって憤り、彼らを聖絶し、彼らが虐殺されるままにされたからだ。彼らの殺された者は投げやられ、その死体は悪臭を放ち、山々は、その血によって溶ける。天の万象は朽ち果て、天は巻き物のように巻かれる。その万象は、枯れ落ちる。ぶどうの木から葉が枯れ落ちるように。いちじくの木から葉が枯れ落ちるように。・・・・・それは主の復讐の日であり、シオンの訴えのために仇を返す年である。

主の復讐の日燃える怒りの日とは「シオン(エルサレム)の訴えのために仇を返す年」です。主の怒りと憤りは、シオンを攻撃する諸国の軍勢、神に敵対する者たちに向けられます。主が彼らを聖絶される日、天の万象は朽ち果て、枯れ落ち、天は巻き物のように巻かれます。 

② 黙示録に啓示された「御怒りの大いなる日」 

使徒ヨハネは、パトモス島で見せられた世の終わりの光景を黙示録に記しています。

黙示録6:12~14
私は見た。小羊が第六の封印を解いたとき、大きな地震が起こった。そして、太陽は毛の荒布のように黒くなり月の全面が血のようになった。そして天の星が地上に落ちた。それは、いちじくが、大風に揺られて、青い実を振り落とすようであった。
天は、巻き物が巻かれるように消えてなくなり、すべての山や島がその場所から移された。

第六の封印が解かれた後、大地震によって地殻変動が起こり、天の万象にも異変が起こり、天は消えてなくなりました。天にあるもの、地にあるものが全て揺り動かされたのです。

黙示録6:15~17
地上の王、高官、千人隊長、金持ち、勇者、あらゆる奴隷と自由人が、ほら穴と山の岩間に隠れ、山や岩に向かってこう言った。「私たちの上に倒れかかって、御座にある方の御顔と小羊の怒りとから、私たちをかくまってくれ。御怒りの大いなる日が来たのだ。だれがそれに耐えられよう。」

この人々は、竜と獣を拝み、真の神に反抗する諸国の民です。

一般的に「世の終わりの戦い、ハルマゲドンの戦い」と言われているのは、イスラエルのハル・メギド(メギドの丘)に集結した獣(反キリスト)の軍隊をイエス様が滅ぼされる「御怒りの大いなる日」の戦いのことです。黙示録16:14では「万物の支配者である神の大いなる日の戦い」と言われ、イザヤが預言した「主の復讐の日」「シオンの訴えのために仇を返す年」の戦いと同じものです。

その日は悪魔の支配が終わる日であり、悪人たちも現在の天地も火で焼き滅ぼされるので、「この世(サタンの支配する時代)の終わり」と表現することができます。

ヨハネもイザヤも、主が諸国の民に怒り、シオンを攻撃する軍勢を滅ぼされる日に、天は巻物が巻かれるように消えてなくなると記しました。イエス様が天から現れる御怒りの大いなる日には、大地震が起こり、天の万象は朽ち果て、天は巻物が巻かれるように消えてなくなるのです

3.すべての被造物が揺り動かされる「万物の改まる時」

① 神が地上に来られる時には万物が改まる

イエス様が天から地上に来られる時は、万物の改まる時とよばれます。

使徒3:20~21
(悔い改めて、神に立ち返りなさい。)それは、主の御前から回復の時が来て、あなたがたのためにメシアと定められたイエスを、主が遣わしてくださるためなのです。このイエスは、神が昔から、聖なる預言者たちの口を通してたびたび語られた、あの万物の改まる時まで、天にとどまっていなければなりません

神様は預言者たちに「メシアを地上に遣わす」ことと「万物が改まる」ことについてたびたび語られました。ですから預言者たちは、メシアが来臨(再臨)される時には万物が改まると預言していたのです。イエス様が再び来られるのは天地万物の改まる時です。

へブル人への手紙は、旧約聖書を引用して、メシアが来られる時には万物が改まることを教えています。

へブル1:10~12
またこう言われます。「主よ。あなたは、初めにの基を据えられました。も、あなたの御手のわざです。これらのものは滅びます。しかし、あなたはいつまでもながらえられます。すべてのものは着物のように古びます。あなたはこれらを、外套のように巻かれます。これらを、着物のように取り替えられます。しかし、あなたは変わることがなく、あなたの年は尽きることがありません。」

これは詩編102:25~26からの引用です。詩編の作者は、とこしえに生きておられる創造主なる神が、天を含め、古びた全ての被造物を取り除き、新しくされると告白しています。

イエス様は、「この天地は滅び去ります。しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません(マタイ24:35)」と言われました。イエス様は「神のことば」であり、全ての被造物を造られた方です。永遠に生きておられるイエス様が、地上に御国(イエス様の王国)を設立されるにあたり、古くなった天地を焼き滅ぼし、新しい天地に取り換えられるのです。

② 「揺り動かされない御国」をもたらす前に天地を揺り動かす

へブル人への手紙12章には、イエス様が再び地上に来られる時に何が起こるか、出エジプトしたイスラエル民族に神様が現われた時の様子と比較して書かれています。

へブル12:26~27
あのときは、その声が地を揺り動かしましたが、このたびは約束をもって、こう言われます。「わたしは、もう一度、地だけではなく、天も揺り動かす。」この「もう一度」ということばは、決して揺り動かされることのないものが残るために、すべての造られた、揺り動かされるものが取り除かれることを示しています。

昔、神がイスラエル民族と契約するためにシナイ山に降りてこられた時には、地が揺り動かされただけでした。
将来、神の御子イエス様が全地の王としてもう一度地上に来られる時には、天地にあるすべてのものが揺り動かされます。山や海や大陸だけでなく、天にある太陽も月も星も、神が造られたすべてのものが揺り動かされるのです。

へブル12:28~29
こういうわけで、私たちは揺り動かされない御国を受けているのですから、感謝しようではありませんか。こうして私たちは、慎みと恐れとをもって、神に喜ばれるように奉仕をすることができるのです。私たちの神は焼き尽くすです。

天地が揺り動かされ、取り除かれますが、神の民は決して揺り動かされることのない「御国」を受け継ぐことができます。

約束された御国が到来する前に、現在の天地にある被造物で、揺り動かされるものはすべて取り除かれ、火で焼き尽くされます。そして万物が改まり、新しい天と新しい地に替えられ、神の民が永遠の御国を相続するのです。

4.裁きと滅びの日に天地は火で焼かれる

① 不敬虔な者どもが裁かれ、火で滅ぼされる日

Ⅱペテロ3:3~7
まず第一に、次のことを知っておきなさい。終わりの日に、あざける者どもがやって来てあざけり、自分たちの欲望に従って生活し、次のように言うでしょう。「キリストの来臨の約束はどこにあるのか。父祖たちが眠った時からこのかた、何事も創造の初めからのままではないか。」
こう言い張る彼らは、次のことを見落としています。すなわち、天は古い昔からあり、地は神のことばによって水から出て、水によって成ったのであって、当時の世界は、その水により、洪水におおわれて滅びました。しかし、今の天と地は、同じみことばによって、火に焼かれるためにとっておかれ、不敬虔な者どものさばきと滅びとの日まで、保たれているのです。

最初の天地は水によって滅びましたが、現在の天地は火で焼かれます。

神が天地を創造された後、地上に悪が増大し、地は堕落し暴虐で満ちたので、神は全ての肉なるものを滅ぼすためにノアの時代に大洪水を起こされました(創世記6~7章)。天の上の水が地に降り注ぎ、すべての山が水で覆われ、箱舟に入らなかったすべての生き物が死に、当時の世界(地の表)は洪水におおわれて滅びました。私たちの時代のこの天地は、不敬虔な者どものさばきと滅びとの日に火で焼かれてしまいます(3:7)。

主が再臨される時、現在の世界は火によって滅ぼされます。ロトの時代にソドムとゴモラという不品行の町が火で焼き滅ぼされましたが、世(この時代)の終わりには全世界に火が臨みます。

② 主は焼き尽くす火とともに来られる

ゼパニヤ3:8
それゆえ、わたしを待て。──の御告げ──わたしが証人として立つ日を待て。わたしは諸国の民を集め、もろもろの王国をかき集めてさばき、わたしの憤りと燃える怒りをことごとく彼らに注ぐ。まことに、全地はわたしのねたみの火によって、焼き尽くされる
マラキ3:2
だれが、この方の来られる日に耐えられよう。だれが、この方の現れるとき立っていられよう。まことに、この方は、精錬する者の火、布をさらす者の灰汁のようだ。
マラキ4:1
見よ。その日が来る。かまどのように燃えながら。その日、すべて高ぶる者、すべて悪を行う者は、わらとなる。来ようとしているその日は、彼らを焼き尽くし、根も枝も残さない。──万軍の【主】は仰せられる──

・イザヤは、主の復讐の日が来て、主がすべての国とすべての軍勢に向かって憤り、彼らを聖絶される日に、天は巻物のように巻かれると預言しました。
・ヨハネは、主の御怒りの大いなる日が来て、天地が消え去ると書き記しました。
・ペテロは、不敬虔な者どものさばきと滅びとの日に、天地が火で焼かれると書きました。
・ゼパニヤとマラキは、神は悪人を焼き尽くす火として来られると預言しました。

主が戻って来られる時には、不敬虔な世界が裁かれ、天地が火で焼かれて万物が改まるのです。私たちの神は焼き尽くす火です。 

5.新天新地・新しいエルサレムが来る

このように天地が焼き滅ぼされてしまうのですから、主の再臨にあたり、新しい天と新しい地、主の住まわれる新しいエルサレムが必要となります。

① キリストの王国の天地は、新しい天と新しい地

Ⅱペテロ3:9~13
主は、ある人たちがおそいと思っているように、その約束のことを遅らせておられるのではありません。かえって、あなたがたに対して忍耐深くあられるのであって、ひとりでも滅びることを望まず、すべての人が悔い改めに進むことを望んでおられるのです。
しかし、主の日は、盗人のようにやって来ます。その日には、天は大きな響きをたてて消えうせ、天の万象は焼けてくずれ去り、地と地のいろいろなわざは焼き尽くされます。このように、これらのものはみな、くずれ落ちるものだとすれば、あなたがたは、どれほど聖い生き方をする敬虔な人でなければならないことでしょう。
そのようにして、神の日の来るのを待ち望み、その日の来るのを早めなければなりません。その日が来れば、そのために、天は燃えてくずれ、天の万象は焼け溶けてしまいます。しかし、私たちは、神の約束に従って、正義の住む新しい天と新しい地を待ち望んでいます

主の日が来ると、地と地のあらゆるわざが火で焼き尽くされ、天も燃えて崩れ、天の万象は焼け溶けてしまいます。悪魔の支配していた世界は火で滅ぼされ、終焉を迎えるのです。そして、現在の天地に替わって、正義の住む新しい天と新しい地が到来します。これは神の約束です。

万物の創造主・神の御子であるイエス様が王となって治める神の国の天地は、新しい天と新しい地です。新天新地は神の国(キリストの王国)が始まる時に実現します。メシア王国が終わってからではありません。

② 新しいエルサレムの到来

そして主の御座のある新しいエルサレムも、メシア王国の始まりる時に天から降って来るのです参照:再臨のたとえ話②「花婿を待つ十人の娘」)。

黙示録22:12~15
「見よ、わたしはすぐに来る。それぞれの行いに応じて報いるために、わたしは報いを携えて来る。わたしはアルファであり、オメガである。最初であり、最後である。初めであり、終わりである。」
自分の衣を洗う者たちは幸いである。彼らはいのちの木の実を食べる特権が与えられ、門を通って都に入れるようになる。犬ども、魔術を行う者、淫らなことを行う者、人を殺す者、偶像を拝む者、すべて偽りを好み、また行う者は、外にとどめられる

いのちの木新しいエルサレムにあります。イエス様が再臨された時に、新しいエルサレムに入れる人々と入れない人々に分けられます。

キリストの血によって罪から贖われた義人は、「真珠の門」を通って「新しいエルサレム)」に入り、「いのちの木」の実を食べることができます。悔い改めなかった罪人たちは、「新しいエルサレム)」に入れず、にとどめられます。

黙示録21:27では、「すべて汚れた者や、憎むべきことと偽りとを行う者は、決して都に入れない」とあり、22:15では、「犬ども、魔術を行う者、不品行の者、人殺し、偶像を拝む者、好んで偽りを行う者外に出される」とあります。

イエス様は、「アブラハム・イサク・ヤコブ、すべての預言者たち、世界中から来た多くの人々が神の国(天の御国)の食卓に着くが、外の暗闇に放り出されて、泣き叫んだり、歯ぎしりしたりする者もいるマタイ8:11~12ルカ13:28~29)」と言われました。
「神の国(天の御国)」は「新しいエルサレム」を指しています。

パウロは、肉の行いについて列挙し、そのようなこととしている者たちは神の国を相続することはない(ガラテヤ5:19~21)、また、正しくない者は神の国を相続できない(コリント6:9)と語っています。

神の国を相続するとは天から降る新しいエルサレムを相続することです。イエス様が再臨されたなら、新しいエルサレムと正義の宿る新しい天地が到来するのです。

神によって創造された最初の天と地はノアの時代に水で滅びました。現在の天と地は火によって滅ぼされ、それから私たちが待ち望んでいる正義の住む新しい天と新しい地が実現しますその時、「悪魔が支配するこの時代」が終わり、神の支配される「義と平和の神の国」が始まります。それは、私たちが約束の「天の御国(新しいエルサレム)」を相続する時なのです。

コメント