再臨と終末(11)大バビロンの滅びとエルサレムの贖い

終末論
新しいエルサレム
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バビロンの起源と終末の大バビロン」では、バビロンの起源と本質、またイスラエル民族とバビロンの関係について確認し、神の都エルサレムが最終的には大淫婦バビロンとなることを見ました。

今回の記事では、エルサレムに対する神のご計画地上のエルサレムの罪と裁き、そして最終的なエルサレムの完成について学びます。

1.神の聖地エルサレムをめぐる争い

① エルサレムは永遠の神の都

エルサレムは、神がとこしえに御名を住まわせるために選んで聖別した場所であり、「わたしの目とわたしの心はいつもそこにあるⅡ歴代誌7:16)」と言われた神の都です。

最初の人アダムが罪を犯して神の園を追い出されて以来、神は人の罪を取り除き、神と人との関係を回復し、再びともに住むことができるように人類救済計画を進めてこられました。

エルサレムは、その御計画を実現するために地上で特別に選ばれた場所です。アブラハムがイサクを捧げたモリヤの丘があり、モーセの幕屋が建てられて契約の箱を治めた場所、ダビデとソロモンにより神殿が立てられ、祭司たちがいけにえを捧げた場所、そしてイエス様が人類の贖いのために十字架につけられた都です。やがて再臨された主が住まわれる神の国の首都です。

詩編132:13~14
 主はシオンを選び、それをご自分の住みかとして望まれた。『これはとこしえに、わたしの安息の場所。ここにわたしは住もう。わたしがそれを望んだから。』

この世の支配者である悪魔は、神の国の到来を阻止しようと働き続けています。主が再臨されると、悪魔は世界の支配権を奪われて千年間閉じ込められ、最終的には火と硫黄の燃える池で永遠に苦しめられることになります。ですから悪魔は、主の再臨を妨げるためにエルサレムの滅亡を目論んでいるのです。

② 分割されたエルサレム

神の都エルサレムはローマ帝国の支配の後も、イスラム教徒、十字軍、マムルーク人、オスマントルコ等の支配を受け、第二次世界大戦後、イギリスの委任統治を経て、サンレモ会議においてユダヤ人の祖国復興が国際的に承認されました。

1947年、国連が「約束の地」をユダヤ人国家とアラブ人国家に分割し、エルサレムを国連管理地区にすることを決議しました。1948年5月14日、イスラエルはそれを承諾し、西エルサレムをユダヤ人国家の首都に定めて独立を宣言しましたが、反対する周辺イスラム諸国との間に第一次中東戦争(独立戦争)が起こりました。イスラエルは滅ぼされることなく独立を果たし、西エルサレムはイスラエルが、神殿の丘のある東エルサレムはヨルダンが治めることになりました。

1967年の第三次中東戦争(六日戦争)ではイスラエルが圧勝し、東エルサレムをヨルダンから奪還し、悲願のエルサレム再統一を果たしますが、イスラム教徒とのこれ以上の争いを避けるため、神殿の丘の管轄権はヨルダンのワクフ(イスラム教組織)に委ねられたままです。イスラエル人がかつて神殿のあった丘に上るなら、アラブ人の激しい暴動が起こります。

エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三宗教の聖地とされています。現在のエルサレム旧市街は、神殿の丘と、ユダヤ教地区・キリスト教地区・イスラム教地区・アルメニア人地区に分かれています。

③ エルサレムを取り囲む敵

ハマスやイスラム教過激派やISISは、「イスラエルを滅ぼし、エルサレムを奪還する」と絶えず攻撃の機会を狙っています。レバノンではイスラエルに向けて15万発のミサイルが配備されており、イランはイスラエル殲滅のために核開発を進めています。パレスチナは絶えずロケット弾や火炎凧、自動車テロ、ナイフテロ、地下トンネルからの侵入攻撃などを繰り返しています。

イスラエルは国家存続をかけていつも緊急事態にあるので、敵の武器庫や核開発施設を先制攻撃し、テロ攻撃に対しても、過剰反応と思えるくらいに反撃します。そのため、イスラム教国からも世界の国々からも、強大な軍事力で非力なパレスチナ人を虐げ、エルサレムを占拠していると非難され続けています。パレスチナはイスラエルの領土を自分たちの領土として要求し、イスラエルと土地を分割して独立国家となることを拒否し続けていますが、世界からは、イスラエルがパレスチナ国に侵略し、領土を奪っているように思われています。

イスラエル独立に関する国連決議やこれまでの中東戦争の歴史的経緯が正しく報道されず、イスラエルについての情報はいつも歪められています。約束の地と神殿の丘をめぐる争いは今も続いているのです。

ガラテヤ人4:25~26には、地上のエルサレムはその子供たちとともに奴隷状態にあるが、上にあるエルサレムは自由であり、私たちの母であると書かれています。イスラエルの神が選ばれ、ご自分の名を置き、永遠に住まわれると定められたエルサレムは、現在も奴隷状態にあります。
この地上のエルサレムはやがて壊滅し、自由な母・天のエルサレムが地に降って来ます。この天にあるエルサレムが、私たち信仰者の目指す最終目的地です。(参照:信仰の目的地2「天の都」と「天のエルサレム」

世の終わりの最終戦争とは、このエルサレムの地位と神の御計画の成就をめぐる戦いなのです

2.大淫婦バビロンの罪

大バビロンは世俗権力に影響力を行使し、魔術によって民衆を支配し、神の御計画を破壊しようとするあらゆる宗教と世界政治・世界経済の統一組織です。バビロンについて理解するにあたり、エレミヤ書50~51章とイザヤ書が参考になります。預言者たちは、古代バビロン帝国の滅亡を預言しながら、終末の大バビロンについて啓示していました。

① 高ぶり

バビロンの罪の1つはプライド(高慢・うぬぼれ)です。人間は善悪を知る知識の木の実を食べたため、自分の知恵と知識を誇るようになり、いのちの木から離れ、神に対し高ぶるようになりました。世の終わりの大バビロンは創造主に向かって高ぶり、為り替わろうとします。

イザヤ47:7~8
あなたは『いつまでも、私は女王でいよう』と考えて、これらのことを心に留めず、自分の終わりのことを思ってもみなかった。 だから今、これを聞け。楽しみにふけり、安心して住んでいる女。心の中で、『私だけは特別だ私はやもめにはならないし、子を失うことも知らなくて済もう』と言う者よ。

黙示録18: 7
彼女が自分を誇り、好色にふけったと同じだけの苦しみと悲しみとを、彼女に与えなさい。彼女は心の中で『私は女王の座に着いている者であり、やもめではないから、悲しみを知らない』と言うからです。

エレミヤ50章によると、バビロンは主に罪を犯し50:14)、主に争いを仕掛け50:24)、イスラエルの聖なる方に向かって高ぶった50:29ため、主に復讐され(50:15)、罰せられます。

② 偶像礼拝と魔術

エルサレムは三大一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)とあらゆる宗教の「聖地」となります。

バビロンは創造主に対抗して全世界の人々を支配するため、偶像礼拝魔術で騙し続けます(黙示録18:2、23)。そこは「刻んだ像の国で、彼らは偶像の神に狂って(エレミヤ50:38)」います。

終末の大バビロンは、偽の神々を礼拝する世界の全ての宗教を統括し、その上に立ち、魔術によって民衆を支配し、真の神に反逆する世界組織です。

イザヤ2:6~9
 ユダとエルサレムについて示された先見のことば
まことに、あなたは、あなたの民、ヤコブの家を捨てられた。彼らがペリシテ人のように東方からの者、卜者で満ち、外国人の子らであふれているからだ。 その国は金や銀で満ち、その財宝は限りなく、その国は馬で満ち、その戦車も数限りない。 その国は偽りの神々で満ち、彼らは、自分の手で造った物、指で造った物を拝んでいる。こうして人はかがめられ、人間は低くされた。──彼らをお赦しにならないように。

ユダとエルサレムは偶像礼拝に狂っているので、主に捨てられてしまいます。

イザヤ47:9~11
 子を失うことと、やもめになること、この二つが一日のうちに、またたくまにあなたに来る。あなたがどんなに多く呪術を行っても、どんなに強く呪文を唱えても、これらは突然、あなたを見舞う。あなたは自分の悪に拠り頼み、『私を見る者はない』と言う。あなたの知恵と知識、これがあなたを迷わせた。だから、あなたは心の中で言う。『私だけは特別だ。』しかしわざわいがあなたを見舞う。それを払いのけるまじないをあなたは知らない。災難があなたを襲うが、あなたはそれを避けることはできない。破滅はあなたの知らないうちに、突然あなたにやって来る。

バビロンの知恵と知識は惑わしです。呪術、呪文、まじないによって神に為り替わろうとしても、バビロンは1日にして滅ぼされてしまいます。

③ 殺人

大バビロンは「7つの頭と10本の角を持つ緋色の獣に乗って黙示録17:3)」「地上の王たちを支配する大きな都17:18)」です。大バビロンは「聖徒たちの血とイエスの証人たちの血に酔って17:6)」います。

バビロンの商人たちは地上の力ある者ども18:23)」です。商売によって世界の富を手中にし、経済力で政治をも動かすのでしょう。大バビロンが購入した商品の中には「奴隷」や「人のいのち」も含まれています(18:13)。人を生贄として偶像神(悪魔)に捧げる慣習は古代からあり、現代は不法な人身売買、臓器売買(殺人)が行われています。

バベルを建設したニムロデは、人間を奴隷化した最初の権力者でしたが、終末の大バビロンの奴隷制度と殺人は、人類史上かつてないほど不法で、あからさまで、強権的なものとなることでしょう。

現代は、遺伝子操作(治療)やゲノム編集によってDNAを書き換えて人間を改変し、神が創られた人類とは異なる新人類を造り出すことも可能になりました。体内でナノチップやIC回路を組み立て、人体をコンピューターに接続して外部から操作することも可能です。

バビロンの商人たちは国々の指導者たちを操り、宗教と経済と政治を介して世に影響力を行使し、全世界・全人類を奴隷のように支配するのです

大バビロンが全ての国々の民を魔術でだまし18:23)たので、全世界は真の神を礼拝する人々を迫害するようになります。「預言者や聖徒たちの血、および地上で殺されたすべての人々の血が、この都の中に見出された18:24)」ため、主はバビロンにご自分のしもべたちの血の報復をされるのです(19:2)。

④ 不品行のぶどう酒

大バビロンは「大水の上に座る黙示録17:1)」「すべての淫婦と地の憎むべきものとの母17:5)」です。大水とは「もろもの民族、群衆、国民、国語17:15)」です。

地の王たちはこの女と不品行を行い、地上の商人たちは彼女の極度の好色によって富を得ます。地に住む人々もこの女の不品行に巻き込まれ、全世界が狂ってしまいます。

指導者たちも諸国の民も、偶像礼拝、姦淫、貪欲、あらゆる不正のために矯正しがたく、もはや救いようがありません。すべての民が、彼女の不品行に対する激しい御怒りのぶどう酒を飲んでしまいました(17:2、18:3)。イスラエル民族も神の都も、異教徒の習慣に飲み尽くされ、主との聖なる契約を破棄してしまいます。神は放蕩のために身を持ち崩したこの都を怒り、見捨てられるのです。

黙示録14:8
 大バビロンは倒れた。倒れた。激しい御怒りを引き起こすその不品行のぶどう酒を、すべての国々の民に飲ませた者。

黙示録18:6~7
 あなたがたは、彼女が支払ったものをそのまま彼女に返し、彼女の行いに応じて二倍にして戻しなさい。彼女が混ぜ合わせた杯の中には、彼女のために二倍の量を混ぜ合わせなさい。彼女が自分を誇り、好色にふけったと同じだけの苦しみと悲しみとを、彼女に与えなさい

彼女の罪は積み重なって天にまで届き、神はその不正を覚えておられ18:5)」ました。今度はバビロンが「神の激しい御怒りのぶどう酒の杯を与えられ16:19)」、「一瞬のうちに荒れ廃れ18:19)」てしまいます。

エレミヤ50:12~15、29
あなたがたの母はいたく恥を見、あなたがたを産んだ者ははずかしめを受けた。見よ。彼女は国々のうちの最後の者、荒野となり、砂漠と荒れた地となる。の怒りによって、そこに住む者はなく、ことごとく廃墟と化する。・・・すべて弓を張る者よ。バビロンの回りに陣ぞなえをし、これを射よ。矢を惜しむな。彼女は主に罪を犯したのだから。・・・その柱は倒れ、その城壁はこわれた。これこその復讐だ。彼女に復讐せよ。彼女がしたとおりに、これにせよ。・・・射手を呼び集めてバビロンを攻め、弓を張る者はみな、これを囲んで陣を敷き、ひとりものがすな。そのしわざに応じてこれに報い、これがしたとおりに、これにせよに向かい、イスラエルの聖なる方に向かって高ぶったからだ。

「あなたがたの母」「あなたがたを生んだ者」はバビロンを指しています。彼女はその仕業に応じて復讐され、永遠に荒れ果てるのです。

エレミヤ51:7~8
バビロンはの御手にある金の杯。すべての国々はこれに酔い、国々はそのぶどう酒を飲んで、酔いしれた。たちまち、バビロンは倒れて砕かれた。このために泣きわめけ。

3.バビロンの滅び

大きな都バビロンは「激しく打ち倒されて、もはやなくなって消え失せて18:21)」しまいます。

① 火で焼かれる

大バビロンは、十本の角を持つ獣によって火で焼かれます。

黙示録17:16~17
 あなたが見た十本の角と、あの獣とは、その淫婦を憎み、彼女を荒廃させ、裸にし、その肉を食い、彼女を火で焼き尽くすようになります。それは、神が、みことばの成就するときまで、神のみこころを行う思いを彼らの心に起こさせ、彼らが心を一つにして、その支配権を獣に与えるようにされたからです。

黙示録18:8
 それゆえ一日のうちに、さまざまの災害、すなわち死病、悲しみ、飢えが彼女を襲い、彼女は火で焼き尽くされます。彼女をさばく神である主は力の強い方だからです。

獣はエルサレムを火で焼き尽くします。バビロンと不品行を行い、好色にふけった地上の王たちも、バビロンに商品を売って儲けていた地上の商人たちも、バビロンが火で焼き尽くされるのを見て泣き悲しみます(18:9~19)。
「災いが来た。災いが来た。大きな都よ。力強い都、バビロンよ。あなたの裁きは、一瞬のうちに来た。」

黙示録19:1~3
この後、私は、天に大群衆の大きい声のようなものが、こう言うのを聞いた。「ハレルヤ。救い、栄光、力は、われらの神のもの。神のさばきは真実で、正しいからである。神は不品行によって地を汚した大淫婦をさばき、ご自分のしもべたちの血の報復を彼女にされたからである。」彼らは再び言った。「ハレルヤ。彼女の煙は永遠に立ち上る。」

大バビロンは、神がソドムとゴモラとその近隣を滅ぼされた時のようになります。もはや人が住むことができなくなるのです。(エレミヤ50:40)。

② 7つの鉢の裁きと大地震

 第七のラッパが吹き鳴らされ、天で大きな声々が言います。「この世の国は私たちの主およびそのキリストのものとなった。主は永遠に支配される。」

御怒りの日が来ました。死者が裁かれ、御名を畏れかしこむ者たちに報いが与えられ、地を滅ぼす者どもが滅ぼされる時が来たのです(黙示録11:15~18)。
第七の御使いが吹き鳴らそうとしているラッパの音が鳴り響くその日には、神の奥儀は、神がご自身のしもべである預言者たちに告げられたとおりに成就する10:7)。」

終わりのラッパが鳴ると復活・携挙が起こり、御使いが選びの民を集め(Ⅰコリント15:52、Ⅰテサロニケ4:16~17、マタイ24:31)、天のエルサレムに運びます。

獣とその像とその名を示す数字とに打ち勝った人々は、神の立琴を手にして、ガラスの海のほとりに立ち、神のしもべモーセの歌と小羊の歌とを歌って主をほめたたえています(黙示録15:2~4)。

天のあかしの幕屋の聖所が開き、御使いたちが神の御怒りの満ちた7つの金の鉢を携えて出て来ます(15:5~7)。鉢には、獣の国と獣の支配下にある人々に下される最後の7つの災害が入っています。

第七の鉢が空中にぶちまけられると、御座から「事は成就した」と大きな声が聞こえ、稲妻、雷鳴、地震がおこります。大きな都は3つに裂かれ、諸国の町々が倒れます大バビロンに神の激しい怒りのぶどう酒の杯が与えられ、雹による激しい災害が起こり(16:17~21)大バビロンは壊滅します。

4.神の花嫁「天のエルサレム」

壊滅した地上のエルサレムに替わり、天にある新しいエルサレムが永遠の神の国の首都となります。

① エルサレムの贖い

イザヤ51:17
 さめよ。さめよ。立ち上がれ。エルサレム。あなたは、の手から、憤りの杯を飲み、よろめかす大杯を飲み干した。

神の激しい怒りのぶどう酒の杯が与えられたのは大バビロンでした。その杯を飲み干したのはエルサレムでした。これで、エルサレムが大バビロンであることが明らかになりました。神の妻であるべき地上のエルサレムは霊的不品行のために「大淫婦」となり、主の憤りの杯を飲み干し、その住民たちと共に焼き尽くされてしまいました。

けれどもエルサレムに対する神の愛は永遠に変わりません。

イザヤ51:22
 あなたの主、ご自分の民を弁護するあなたの神、主は、こう仰せられる。「見よ。わたしはあなたの手から、よろめかす杯を取り上げた。あなたはわたしの憤りの大杯をもう二度と飲むことはない。

イザヤ54:5~8
 あなたの夫はあなたを造った者、その名は万軍の主、あなたの贖い主イスラエルの聖なる者で、全地の神と呼ばれている。は、あなたを、夫に捨てられた、心に悲しみのある女と呼んだが、若い時の妻をどうして見捨てられようか」とあなたの神は仰せられる。「わたしはほんのしばらくの間、あなたを見捨てたが、大きなあわれみをもって、あなたを集める。怒りがあふれて、ほんのしばらく、わたしの顔をあなたから隠したが、永遠に変わらぬ愛をもって、あなたをあわれむ」とあなたを贖う主は仰せられる。

」は創造主、万軍の主、イスラエルの聖なる方、全地の神と呼ばれているイエス様です。「あなた」はエルサレムです。エルサレムは主に贖われ、回復されます。

② 栄光の神の都

 イザヤ62:1~5
 シオンのために、わたしは黙っていない。エルサレムのために、黙りこまない。その義が朝日のように光を放ち、その救いが、たいまつのように燃えるまでは。
そのとき、国々はあなたの義を見、すべての王があなたの栄光を見る。あなたは、の口が名づける新しい名で呼ばれよう。あなたはの手にある輝かしい冠となり、あなたの神の手のひらにある王のかぶり物となる。あなたはもう、「見捨てられている」と言われず、あなたの国はもう、「荒れ果てている」とは言われない。かえって、あなたは「わたしの喜びは、彼女にある」と呼ばれ、あなたの国は夫のある国と呼ばれよう。
の喜びがあなたにあり、あなたの国が夫を得るからである。若い男が若い女をめとるように、あなたの子らはあなたをめとり、花婿が花嫁を喜ぶように、あなたの神はあなたを喜ぶ

わたし」はイエス様、「あなた」はシオン(エルサレム)を指しています。イエス様の愛と情熱がエルサレムを回復させます。シオンは義とされ、栄光に輝く神の国の首都となり、新しい名前で呼ばれます。エルサレムを選んだ神は、花嫁を喜ぶようにシオンを喜ばれます。

ゼカリヤ1:14~17
 万軍の主はこう仰せられる。『わたしは、エルサレムとシオンを、ねたむほど激しく愛した。 しかし、安逸をむさぼっている諸国の民に対しては大いに怒る。わたしが少ししか怒らないでいると、彼らはほしいままに悪事を行なった。』 それゆえ、主はこう仰せられる。『わたしは、あわれみをもってエルサレムに帰る。そこにわたしの宮が建て直される。―万軍の主の御告げ。―測りなわはエルサレムの上に張られる。』 もう一度叫んで言え。万軍の主はこう仰せられる。『わたしの町々には、再び良いものが散り乱れる主は、再びシオンを慰め、エルサレムを再び選ぶ。』

③ 小羊の花嫁、新しいエルサレム

大バビロンの裁きが終わり、主が王となって花嫁を迎える時が来ました。

黙示録19: 6~8
また、私は大群衆の声、大水の音、激しい雷鳴のようなものが、こう言うのを聞いた。「ハレルヤ。万物の支配者である、われらの神である主は王となられた。私たちは喜び楽しみ、神をほめたたえよう。小羊の婚姻の時が来て、花嫁はその用意ができたのだから。花嫁は、光り輝く、きよい麻布の衣を着ることを許された。その麻布とは、聖徒たちの正しい行いである。」

小羊の花嫁が天から降って来ます。

黙示録21;2、9~10
私はまた、聖なる都、新しいエルサレムが夫のために飾られた花嫁のように整えられて、神のみもとを出て、天から降って来るのを見た。・・・・また、最後の七つの災害の満ちているあの七つの鉢を持っていた七人の御使いのひとりが来た。彼は私に話して、こう言った。「ここに来なさい。私はあなたに、小羊の妻である花嫁を見せましょう。」そして、御使いは御霊によって私を大きな高い山に連れて行って、聖なる都エルサレムが神のみもとを出て、天から降って来るのを見せた。

小羊の妻である花嫁」とは、天から降る新しいエルサレムなのです

イザヤ49:13~21
天よ。喜び歌え。地よ。楽しめ。山々よ。喜びの歌声をあげよ。がご自分の民を慰め、その悩める者をあわれまれるからだ。
しかし、シオンは言った。「は私を見捨てた。は私を忘れた」と。
「女が自分の乳飲み子を忘れようか。自分の胎の子をあわれまないだろうか。たとい、女たちが忘れても、このわたしはあなたを忘れない。見よ。わたしは手のひらにあなたを刻んだ。あなたの城壁は、いつもわたしの前にある。 あなたの子どもたちは急いで来る。あなたを滅ぼし、あなたを廃墟とした者は、あなたのところから出て行く。目を上げて、あたりを見回せ。彼らはみな集まって、あなたのところに来る。わたしは生きている。──の御告げ──あなたは必ず、彼らをみな飾り物として身につけ、花嫁のように彼らを帯に結ぶ。必ず、あなたの廃墟と荒れ跡と滅びた地は、いまに、人が住むには狭すぎるようになり、あなたを滅ぼした者たちは遠くへ離れ去る。あなたが子を失って後に生まれた子らが、再びあなたの耳に言おう。『この場所は、私には狭すぎる。私が住めるように、場所をあけてもらいたい』と。そのとき、あなたは心の中で言おう。『だれが私に、この者たちを生んでくれたのだろう。私は子に死なれた女、うまずめ、亡命のさすらい者であったのに。だれがこの者たちを育てたのだろう。見よ。私は、ただひとり、残されていたのに、この者たちはどこから来たのだろう。』」

「私は女王、子を失うことはない」と高ぶっていた淫婦は、その姦淫の子ら(偶像礼拝者たち)とともに裁かれました。贖われた花嫁、新しいエルサレムには、数えきれないほどの神の子たちが生まれました。生き残って主に立ち返ったイスラエル民族だけでなく、諸国・諸民族から救われたクリスチャンたち、そしてよみがえったすべての聖徒たちとイエスの証人たちが、花嫁エルサレムに集められます。聖徒たちの正しい行いは花嫁の「光り輝く、きよい麻布の衣(黙示録19:8)」となり、エルサレムを飾ります。

④ アブラハムへの約束の成就

主がアブラハムとその子孫に永遠に与えると約束されたイスラエル民族の領土は、「エジプトの川からユーフラテス川まで」です。主が再臨されて神の国が実現すると、この約束も実現します。

主が永遠に住まわれる新しいエルサレムは、人間が造った都ではなく、神ご自身が設計し、建設した都へブル11:10)で、縦、横、高さは12,000スタディオン(約2,220km)です(黙示録21:16)。その大きさは、「エジプトの川からユーフラテス川まで」がすっぽり入り、地中海の一部と紅海、エジプトからサウジアラビア・シリア・トルコ・イラク・イランの一部まで含む大きさです。

ニムロデから始まった人間中心の王国は、その後の歴史で多くの帝国として入れ替わりました。イスラエルの地を支配した帝国は、エジプト、アッシリア、バビロン、メディア・ペルシャ、ギリシャ、ローマ、オスマン・トルコなどです。異教徒たちに支配されていた地域をイスラエル民族が相続することになります。

こうして、アブラハムへの土地の約束が実現し、イスラエル民族は相続地として新しいエルサレムを受け取りますキリストを信じる信仰によって「アブラハムの子孫」とされたクリスチャンも、この新しいエルサレムに入る権利を受けています

へブル13:14
私たちは、この地上に永遠の都を持っているのではなく、むしろ後に来ようとしている都を求めているのです。

ゼカリヤ8:2~3
万軍のはこう仰せられる。「わたしは、シオンをねたむほど激しく愛し、ひどい憤りでこれをねたむ。」はこう仰せられる。「わたしはシオンに帰り、エルサレムのただ中に住もう。エルサレムは真実の町と呼ばれ、万軍の主の山は聖なる山と呼ばれよう。」

エレミヤ3:17
そのとき、エルサレムは『主の御座』と呼ばれ、万国の民はこの御座、の名のあるエルサレムに集められ、二度と彼らは悪いかたくなな心のままに歩むことはない。

地上のエルサレムは、主の再臨を阻止しようとする悪魔によって大淫婦バビロンとされ、滅ぼされてしまいますが、反キリスト軍が滅ぼされ、悪魔が閉じ込められた後、天に備えられていた新しいエルサレムが降って来ます。復活し、栄化された主の民(アダム以来の真の信仰者たち)は、新しいエルサレムに集められ、永遠に神の国を相続することになります。こうして神の最終的な贖い計画が完成し、主がとこしえにエルサレムから世界を統治されるのです。

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